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原田はとる(著者) ×  須藤安寿(インタビュアー)

須藤安寿
「夜明けまちフレンズ」の執筆、お疲れさまでした。
今回のストーリーのこだわりポイントからお話を聞かせていただけますか? 随所にこだわりが散りばめられていそうですが(笑)。

原田はとる
このお話と言えば、キャラたちの思考が丸見えになるギミック! ということで、このギミックを頑張りました。そもそもこのギミックは最初の構想から存在していました。夜の街で、次々とテレビやビジョンの画面が切り替わっていって、その中でパニックになる二人……までを思いついて、そこからどんな風に展開させようか、登場させるギミックをどうするか…と組み立てていったんです。
気持ちが目に見える形になっていく、というギミックをいかに分かりやすく、想像してもらえるように書くかが難しく、一番苦戦しました。でも、そのギミックによってキャラ二人が大きなリアクションをするので、「もっと困らせて慌てさせよう!」とノリノリで書けたところかな、とも思います。
今振り返ってみると、もっと困らせても良かったかも……とSなことを思ってしまいます(笑)。

須藤安寿
前作とは雰囲気がガラリと変わっているのですが、そのあたりは意識されましたか?

原田はとる

前作の「あじさいのひと」とは少し不思議要素があることと、(ほぼ)二人だけの世界で展開される恋というのが共通している点ですね。でも、舞台が田舎から都会になったり、キャラの年齢差がなくなっていたりするので、テイストは正反対と言ってしまってもいいくらいに違いがあると思います。

須藤安寿
ストーリーの舞台となっている秋葉原の描写にも、並々ならぬこだわりを感じました。土地勘のある読者さんは「あ、あの辺りかしら?」と思い当たりそうですよね。

原田はとる
東京からはちょっと離れたところで育った人間なので、いい年齢になった今も東京は憧れの場所で、行く度にすごくわくわくするところなんです。お陰で今でも「わーおっきいビル!」「おいしいものいっぱい!」とお上りさん気分が抜けてません(笑)。その中で、今回の要であるギミックが映えそうな賑やかな場所をいくつかチョイスしました。
秋葉原にしたのは、主人公の星次がゲーマーなのでゲーマーが集うイメージのある場所だから、ということもあるんですが、某丸い路線でお馴染みの電車の路線図にも理由があって。星次の名字でもある「池袋」と大輝の名字に一文字追加した「浜松町」の間にある駅が秋葉原なんですよね。ちょっとした運命的なものを感じたので、これは秋葉原にしないと!と決めました。

須藤安寿
……(こっそり路線図を確認中)。
二人の名前にそんな秘密が隠されていたとは!!!

原田はとる
秋葉原の魅力はとにかく楽しいこと、賑やかなものがぎゅっと詰め込まれてるところですかね。見ていて楽しいし、居心地もいい…と感じるのは私自身オタクだからですかね。東京には他にも秋葉原に負けないくらい賑やかなところもありますし、オタクにとって居心地がいいと言えば池袋もありますが、秋葉原はもっと濃密な空気が流れているように感じます。この空気…コミケの濃密さと似てると思います。そっか、だから行く度にわくわくするのかも。

須藤安寿
星次や大輝も好きそうですよね、コミケ。
ふたりとも性格の方向性は違っていても、とても自然体の二十代青年というか、「現実にもこういうお兄さんたち、秋葉原にいそう」と思わせる雰囲気がありました。キャラメイクはどんな風に進められたのですか?

原田はとる
星次のイメージは『ゲーセンにいて、目当てのクレゲが上手く行かずに友達と「無理じゃね?」と話してたら横にやってきて、「え、あとちょっとなのにもったいない! よし、俺が隣で応援してるから、頑張ってみない?」とさり気なく景品を取りやすい位置に移動してくれた上に、「お姉さん頑張れ~」と応援してくれるノリのいい店員のお兄ちゃん』です!(長い)。
とにかく親しみやすくて、友達になったら楽しそうな人になっていればいいなと思いながら作りました。あくまで友達で、恋人としては微妙かも……という感じも出したいポイントでした。星次に関しては、あまりにも扱いやすいキャラだったせいか、苦戦したところがほとんどないです。気がついたら、「俺、今回の受だから!よろしく!」って感じで私の中にいました(笑)
大輝のキャラは、今までの攻めが「ヘタレ」「タイプスリップしてきた、ちょっとズレてる人」というキャラだったので、そのイメージに当てはまらない攻めにしたいと思ったところから作っていきました。最初に星次のイメージを作り込んでいたので、大輝はそれに対になるイメージで作っています。一途だけど不器用で、それが可愛いと思える人を目指しました。
でも結果的に見れば「ヘタレ」だし、「ズレている」ところもあるから、今までの攻キャラの要素、入っちゃってますね。これはもう私の性癖だから仕方ないのかもしれない……。

須藤安寿
好みは捨てきれませんよね~(笑)。
原田さんの目から見て、星次と大輝のいいところ、逆に欠点と言えそうなところを教えてください。

原田はとる

星次のいいところは、基本的に誰とでも仲良くなれるところですね。そうでなければ大輝と親しくなることはなかったし、大輝も星次のそういった親しみやすさに友達になった後も何度も救われていると思います。その一方で誰とでも親密になっちゃうから、密かにヤキモキすることもあっただろうな~と。それもそれで私としては大変美味しい要素だと思います。欠点は真面目な話が苦手なところかな。悪気はないんだろうけど、真面目な話をしようとしたら誤摩化されたり茶化されたりするのは相手からすれば誠実じゃない、と思うかも。この欠点は、星次が女の子にフラレてしまう要因の一つだと思っています。
大輝のいいところは、最初はとっつきにくいけど、仲良くなると誠実だし、相手のことをよく考えるところ。飲み会の時は誰よりも先におかずを取り分けたり、吐きそうになってる人に気付いて一緒にトイレについていってあげるタイプ。自分の気持ちを犠牲にしてしまうこともあるから、欠点とも言えるかも。でも、仲のいい人の誘いは断らないし、自分にとって未知のことでも嫌がらずに相手に寄り添って楽しもうとするから、彼を知った人はそういうところから彼を好きになるんだと思います。星次にとって、大輝が一番の友達になっていった要因でもあります。

須藤安寿
今後のふたりの関係も大いに気になりますよね。

原田はとる
お互いに気持ちを分かり合ったものの、二人の本質が完全に変わった訳ではないから、ギミックがない状態で喧嘩とかして問題にぶち当たった時、二人がどう出るかは妄想のしがいがあると思います。案外大輝あたりが両思いになったことで大胆になって、星次を翻弄してたら面白いかも。
ぶち当たる問題は……星次の童貞卒業辺りで揉めるというのはいかがでしょうか(笑)。

須藤安寿
それは事件ですね! ぜひ続編にもチャレンジして頂きたいです!
では最後に、このブログで「夜明けまちフレンズ」に興味を持った皆さまへのメッセージをお願いします。

原田はとる
「きみはぼくの天使」「あじさいのひと」と同じく、「夜明けまちフレンズ」も最後までBLたっぷりで頑張りました。一夜で展開される不思議現象と、友達と恋の間で揺れる二人の恋の行方を、二人と一緒になって追いかけてもらえたら嬉しいです。また、前二作を読んだことのない方も、今作をきっかけに是非前二作に興味を持って頂けたら、と思います! 男子校で展開されるヘタレ×小悪魔ラブコメが読みたい方は「きみはぼくの天使」、しっとり年齢差BLが読みたい方は「あじさいのひと」を是非。
あと、もはや毎回言ってますが、今作の表紙も広瀬先生が見応えのあるものに仕上げて下さっています。是非、隅々まで見てみて下さい! 二人を取り囲むモノに注目です!

須藤安寿
ありがとうございました。
原田はとるさんの既刊は↓こちらです! 「夜明けまちフレンズ」とともにぜひお楽しみ下さい!

きみはぼくの天使 (共幻あかつき文庫)
原田はとる
株式会社共幻社
2016-11-18


あじさいのひと (共幻あかつき文庫)
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