嘘つきバナー
このままでいいの? 次の一年もまた、こんなぬるいセックスだけで満足できる?


STORY

「きっとすぐ別れるさ。この店で知り合ったカップルはみんなそうだ」
ザキさんとサヤ――矢崎一利と佐谷田和敏の〈ダブルカズトシ〉コンビはそんなジンクスにも負けず同居三年目を迎えようとしている恋人同士。

日勤のサラリーマンと遅番メインのスイミングインストラクターという職業の違いから生活時間は多少ちぐはぐではあったが、相思相愛のおしどりカップル。行きつけのゲイバーの常連仲間にひやかされるほどの熱々ぶりは今も続いている。

だがふたりには心に秘めた重い秘密を互いに打ち明けられずにいた。
行きずりの相手として出会ってしまった六年前の背徳の一夜のこと。
ただ欲望に身を任せ、嗜虐の蜜をすすりあっただけ。彼にとっては相手など誰も良かったはずなのだ。

だから言えない。あのとき恋をしたなんて……。
あのときの熱を今も切ないほどに求め続けている気持ちは、決して彼には告げられない。
【社畜リーマン×脳筋ビッチ】


CHARACTERS


saya 佐谷田和敏(さやだ かずとし)

通称:サヤちゃん。
スポーツジム勤務のスイミングインストラクター。明るくて人懐っこい性格で、行きつけのゲイバーの人気者。





zaki矢崎一利
(やざき かずとし)

通称:ザキさん
営業部勤務の社畜系サラリーマン。外では寡黙な男を装っているが、特に無口というわけではない。





柚木達也
(ゆずき たつや)
通称:ゆずママ
矢崎と佐谷田の行きつけのバー「春日」の店主。マシンガントークの憎まれ口がチャームポイント。

 
SAMPLE

「こほっ……」
 喉の奥にわだかまっていた吐息の粘着く重さに小さく咳込んだ。
 揺れる視界に、常夜灯のほのかな光。耳元で聞こえる恋人の荒い息遣いに煽られて、呼吸器の奥がむず痒くうずいている。
 だがやはり……。
 奔放に喘ぐことへの躊躇を、佐谷田和敏は捨てきれなかった。
 紳士的な恋人は、挿入しているあいだも佐谷田を愛撫し続けてくれる。乳首を弄ったり、感じやすい耳朶に触れたりもするけれど、ダイレクトに性器を刺激することを選ぶほうが多い。共に絶頂を迎えることを好んでいるようでもあった。
 佐谷田の男性器を包み込んだ恋人の手は少し前から上下することを忘れている。さっきまでくすぐったいほどに繰り返されていたキスも、今は止んでいた。その代わりに鋭敏なすぼまりを押し広げて出入りする屹立はさらにその硬さを増しているように感じられた。
 彼自身がすでに射精間近なのだろう。
 ローションをたっぷり塗りつけた恋人の手のひらの、少し強すぎる圧迫。ゴツゴツした指の関節のひとつひとつが、今、おまえも俺をこんな風にいやらしく震えながら締め付けているんだと告げているようでもあった。
 恋人の身の内に潜むSの気配がじわじわと滲み出して、佐谷田を責めたがっていた。
 佐谷田もまた、今にも溢れ出てしまいそうな快楽を堪えている。だが、もう少しこのままで彼の手のひらを味わいたい。この息苦しい快楽の予感にずっと身を浸していたかった。

DETAILS

嘘つきでごめん (共幻あかつき文庫【蜜色】)
著者 須藤安寿
イラスト 広瀬コウ
発行日 2016年11月11日
発行者 共幻あかつき文庫
販売価格 400円

AmazonKindle
楽天kobo
コミックシーモア
dブック
ブックパス

他ストアからも続々配信中!

REVIEW

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高波一乱
 編集者


 初稿をもらったとき、チェックなど忘れて一気読みしてしまいました。
 ドキドキハラハラさせてくれますが、その葛藤もお互いへの愛情によるものなので、ハッピーエンドを確信させてくれます。
 かっこエロい世界を堪能したい、オトナな読者様にオススメですよ!


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天都とほる
共幻令嬢・あかつき文庫編集長


 大人とは、ココロとカラダの両方を使って恋愛する生き物。
 おまけに苦い思い出と、美味しい思い出の両方を積み重ねた生き物。
 そんな大人二人の、自分にも相手にも嘘をつきながら、思いやりながらの微妙な駆け引きがたまりません。
 SMの世界、ちょっとのぞいてみたいという方の入口にもお勧めです。


広瀬コウ


広瀬コウ
イラストレーター


 二人の心の奥底に隠された本音、そんな駆け引きをハラハラしながらもどこか心地よく読んでいました。
 そして濃厚なラブシーンの中にも矢﨑さんの佐谷田への想いが感じられて、倍興奮でした!
 表紙では二人の大人な関係が表現できればと思い、シックな色合いで描かせていただきました。